インプラントを顎の骨に埋める手術で気をつけなければならないこととして、顎の骨の中にある神経や血管を傷つけないこと、顎の骨からインプラントが飛び出て骨の外にある血管や神経を傷つけないことがあげられます。これらは、頻度は低いですが、インプラント治療を行う際の合併症として特に注意しなければなりません。
当院では、そのような重大な合併症が起きる確率を限りなくゼロに近づけるために、ほとんどの手術でインプラントを埋める方向を決めるガイドを使用して埋入を行います。
インプラント治療する場合は、必ず手術が必要となります。そのため、糖尿病などの全身疾患のコントロールが悪い方や、血液をさらさらにするお薬をお持ちの方のなかには手術を避けた方が良い場合があります。また、上にも書いてありますが、手術の際に顎の中の神経や顎の側を走っている神経や血管に気をつけなければなりません。
インプラントは、チタンやセラミックでできているため、虫歯には絶対なりません。但し、お掃除がきちんとできない状態が長く続くと歯周病(インプラント周囲炎)にはなってしまい、インプラントの周りの骨が溶かされて使えなくなってしまいます。そのため、インプラント治療が終わったら、自分の歯を守るのと同じように、メンテナンスや毎日の歯磨きをしっかり行わなければなりません。
インプラントの手術や予後に影響する全身疾患としては、主に糖尿病があげられます。糖尿病のコントロールが不良な場合は、手術時に感染の危険性がたかまりますし、治療が終わった後も歯周病(インプラント周囲炎)にかかりやすい状態になっています。コントロールが良い方は、インプラントの予後に対する影響は少ないと言われています。また、血液がさらさらになる薬をご使用の方は、出血のリスクが高くなるため、骨を大規模に造るなどの手術ができない場合があります。
全身疾患をお持ちでもインプラント治療にほとんど影響を受けない場合も多いので、歯科医師にご相談ください。
喫煙者の方でもインプラントができないわけではありません。ただし、喫煙が血管収縮、血流障害、白血球の機能障害などを引き起こして、インプラント治療に悪影響を及ぼすことは分かってきています。
一般的にはインプラント手術の前後2週間は禁煙することが望ましいとされています。一度歯科医師にご相談ください。